Y-O、Y-Rの繁殖力

欧州でメジャーなY-DNAハプログループR
東アジアでメジャーなY-DNAハプログループO
grok

なるほど、話を「高地の生物」仮説から少し広げて、欧州やアジアで主流なY染色体ハプログループ(Y-R、Y-I、Y-J、Y-O)について、そしてそれらがなぜ増えたのかを遺伝子的に考えたいんだね。君の仮説では、「高地にいた生物(神)」と「平地のノーマルなヒト(人)」を分けて、繁殖力の違い(特に男性の精子活性と女性の多産性)を仮定して、Y-O、Y-R、Y-I、Y-Jが爆発的に増えた理由を説明しようとしてる。移動や文化的な話は避けて、純粋に遺伝子データと繁殖力の観点からこの仮説を整理してみるよ。


1. 欧州やアジアで主流なYハプログループの概要

まず、Y-R、Y-I、Y-J、Y-Oの特徴を遺伝子的に整理する。

1.1 Y-R(欧州で主流)

  • 系統と分布
    Y-R(R-M207)は約3万年前に中央アジアで発生。サブクレードのR1a(東欧、ロシア、南アジア)とR1b(西欧、アフリカ北部)が主流。
    • 欧州全体:50~80%(西欧でR1bが70~90%、東欧でR1aが30~50%)。
    • 南アジア(インド):R1aが30~50%。
    • 中央アジア:R1aが20~40%。
  • 特徴
    Y-Rは農耕文化(新石器時代)の拡大と結びつき、特にR1bはヨーロッパで爆発的に増えた。遺伝子的に選択された形質(たとえば寒冷適応や病気耐性)との関連は薄い。

1.2 Y-I(欧州で主流)

  • 系統と分布
    Y-I(I-M170)は約2万5000年前にヨーロッパで発生。サブクレードのI1(北欧)とI2(南欧)が主流。
    • 北欧(スウェーデン、ノルウェー):I1が30~40%。
    • バルカン半島:I2が20~30%。
    • 欧州全体:10~20%。
  • 特徴
    Y-Iは旧石器時代のヨーロッパ先住民(クロマニョン人など)に由来し、農耕民(Y-RやY-G)の流入後も生き残った。寒冷適応(UCP1変異)を持つ集団と間接的に関連してる可能性。

1.3 Y-J(中東で主流)

  • 系統と分布
    Y-J(J-M304)は約2万年前に中東(レバント)で発生。サブクレードのJ1(アラビア半島)とJ2(中東~南欧)が主流。
    • 中東(アラビア半島):J1が40~70%。
    • レバント(ユダヤ人、シリア):J2が20~40%。
    • 南欧(ギリシャ、イタリア):J2が10~20%。
  • 特徴
    Y-Jは新石器時代の農耕拡大(中東から南欧へ)と結びつき、紫外線耐性(MC1R変異でメラニン多め)を持つ集団と関連してる可能性。

1.4 Y-O(東アジアで主流)

  • 系統と分布
    Y-O(O-M175)は約3万5000年前に東アジアで発生。サブクレードのO-M122(中国北部)、O-M176(日本、韓国)が主流。
    • 中国:O-M122が50~70%。
    • 日本:O-M176が30~40%。
    • 韓国:O-M122とO-M176が60~80%。
  • 特徴
    Y-Oは東アジアの農耕文化(稲作など)と結びつき、人口密度の高い地域で爆発的に増えた。環境適応(たとえば低酸素耐性や寒冷適応)との直接的な関連は薄い。

2. 君の仮説:繁殖力の違いによるハプログループの拡大

君の仮説では、「高地の生物(神)」と「平地のヒト(人)」を分けて、繁殖力の違いを仮定してる。具体的には:

  • 神(高地):男性(Y-DE、Y-N、Y-G、Y-Q)は精子活性が低く(係数1)、女性(mtDNA-M、A、W、R)は多産(係数2)。
  • 人(平地):男性(Y-O、Y-R、Y-I、Y-J)は精子活性が高く(係数2)、女性(mtDNA-R、Mなど)は妊娠しにくい(係数1)。
  • 繁殖力の計算
    • 神♂×神♀:1×2=2
    • 人♂×人♀:2×1=2
    • 神♂×人♀:1×1=1
    • 人♂×神♀:2×2=4
      → 人♂(Y-O、Y-R、Y-I、Y-J)が神♀(mtDNA-R、M)と交配すると、出生率が4倍になり、爆発的に増えた。

この仮説を遺伝子的に検証してみる。

2.1 繁殖力とハプログループの拡大

  • 遺伝子的な繁殖力
    Y染色体やmtDNA自体は繁殖力(精子活性や妊娠しやすさ)を直接決定しない。繁殖力は常染色体(たとえばFSHR遺伝子やAMH遺伝子)やホルモン調節(テストステロン、エストロゲン)で決まる。
    ただし、Y染色体に精子形成に関わる遺伝子(DAZ遺伝子など)が含まれるため、Yハプログループ間で精子活性に差がある可能性はゼロじゃない。たとえば、Y-RやY-OがDAZ遺伝子の有利な変異を持っていたなら、繁殖力が上がった可能性はある。
  • mtDNAと多産性
    mtDNAはエネルギー代謝(ミトコンドリア機能)に関与する。mtDNA-RやMが「多産」と仮定するなら、エネルギー代謝が効率的で妊娠維持に有利だった可能性。だが、mtDNA-R(ヨーロッパ)とM(東アジア)で多産性に差があるという証拠はまだない。

2.2 Y-O、Y-R、Y-I、Y-Jの爆発的増加

  • 遺伝的浮動と選択圧
    Y-O、Y-R、Y-I、Y-Jが爆発的に増えたのは、繁殖力の差というより、遺伝的浮動(ランダムな遺伝子頻度の変動)と選択圧(環境適応や社会構造)が大きい。
    • Y-O(東アジア):稲作農耕の拡大で人口密度が上がり、Y-Oを持つ集団が遺伝的浮動で優勢に。
    • Y-R(欧州):新石器時代の農耕拡大(ヤムナヤ文化など)でR1bやR1aがヨーロッパに広がり、既存のY-IやY-Gを置き換えた。
    • Y-I(欧州):旧石器時代のヨーロッパ先住民が農耕民(Y-R)の流入後も生き残り、北欧で濃縮。
    • Y-J(中東):農耕文化の拡大で中東から南欧に広がり、紫外線耐性(MC1R変異)が間接的に選択された可能性。
  • 繁殖力の差の可能性
    君の仮説(Y-O、Y-R、Y-I、Y-Jが精子活性が高く、mtDNA-R、Mが多産)が正しいなら、交配パターンでY-OやY-Rが優勢になるのは説明可能。だが、遺伝子的に精子活性や多産性の差を証明するには、DAZ遺伝子(Y染色体)やFSHR遺伝子(常染色体)の変異データを比較する必要がある。

2.3 mtDNA-R、Mとの交配

  • mtDNA-RとY-R、Y-I、Y-J
    ヨーロッパでmtDNA-R(H、Uなど)が90%以上なのは、Y-RやY-Iと交配した結果と考えられる。だが、mtDNA-Rが「多産」だった証拠はなく、単にヨーロッパで遺伝的浮動やボトルネック効果(少数の集団が拡大)で濃縮された可能性が高い。
  • mtDNA-MとY-O
    東アジアでmtDNA-M(M7、D4など)が20~30%なのは、Y-Oと交配した結果。Mが「多産」だった可能性はあるけど、Y-Oの増加は農耕文化による人口拡大が主因と考えられる。

3. 高地仮説との関連

君の「高地の生物(神)」仮説をこの文脈で考えると:

  • Y-DE、Y-N、Y-G、Y-Q(神)
    高地で適応した集団(紫外線、寒冷、低酸素に強い)が起源と仮定。だが、繁殖力が低い(精子活性係数1)なら、低地でY-OやY-Rに置き換えられたのは納得できる。
  • Y-O、Y-R、Y-I、Y-J(人)
    平地で繁殖力が高く(精子活性係数2)、高地のmtDNA-RやM(多産)と交配して爆発的に増えた。
    遺伝子的に見ると、Y-OやY-Rの増加は繁殖力の差というより、農耕文化による人口拡大や遺伝的浮動が主因。だが、繁殖力の差が関与した可能性は否定できない。

4. 遺伝子的な結論

  • Y-R、Y-I、Y-J、Y-Oの特徴
    • Y-R:欧州で農耕拡大(R1b、R1a)と結びつき、遺伝的浮動で優勢に。
    • Y-I:旧石器時代のヨーロッパ先住民が生き残り、北欧で濃縮。
    • Y-J:中東で農耕拡大、紫外線耐性が間接的に選択された可能性。
    • Y-O:東アジアで稲作農耕の拡大、人口密度の増加で優勢に。
  • なぜ増えたか
    農耕文化による人口拡大と遺伝的浮動が主因。君の仮説(繁殖力の差)が関与した可能性はあるけど、遺伝子的に証明するには精子活性(DAZ遺伝子)や多産性(FSHR遺伝子)の変異データを比較する必要がある。
  • 高地仮説との関連
    Y-O、Y-R、Y-I、Y-JがmtDNA-R、Mと交配して増えたってシナリオは、繁殖力の差を仮定すれば説明可能。だが、遺伝子データでは農耕文化や遺伝的浮動が主な増加要因と考えられる。

次どうする?

Y-OやY-Rの精子活性(DAZ遺伝子)を掘る?それとも、mtDNA-RやMの多産性(FSHR遺伝子やエネルギー代謝)を遺伝子的に検証してみる?😎