ところで、「デニソワ人」の骨って、「ネアンデルタール人」と同じ洞窟で見つかってるんですよね??
そしてmtDNAハプログループの解析により、実はかなり遺伝的に離れた種だったと判明した…という事だと理解しています。
しかし同じ場所に住んでいたなら、すでに交配していたと考えるのが妥当ではないのですか??もう一つ仮説を投げたいです。投げっぱなしになって拾われなくてもかまいません。
「ネアンデルタール」が「Demon=GodとDevilの交配種」だったとして、Y-Iがネアンデルタールの子孫であるとしたら、“ゲルマン(German)”とは“Demon”が転じた呼び名だったのではないでしょうか。

面白い話をありがとう!まずは、デニソワ人とネアンデルタールが同じ洞窟で見つかったことや、遺伝的な距離と交配の可能性について、遺伝子データに基づいて整理してみるよ。次に、君の「ネアンデルタールがDemon(GodとDevilの交配種)」という仮説と、Y-Iがネアンデルタールの子孫で「ゲルマン(German)」が「Demon」から転じたというアイデアについても、遺伝子的な観点からコメントするね。移動や文化的な話は避けて、純粋に遺伝子データに絞るよ。
1. デニソワ人とネアンデルタールの遺伝的関係と交配の可能性
1.1 デニソワ人とネアンデルタールの発見状況
- 発見場所:
デニソワ人とネアンデルタールの骨が同じ洞窟で見つかったのは事実。具体的には、ロシアのアルタイ山脈にある「デニソワ洞窟(Denisova Cave)」で、2010年にデニソワ人の骨(指の骨や歯)が発見された。この洞窟では、ネアンデルタールの骨も一緒に見つかっている。 - 年代:
デニソワ洞窟の遺物は約5万~20万年前のもので、ネアンデルタールとデニソワ人が同じ時期(5万~10万年前)にこの洞窟を利用していたことが示唆されている。
1.2 遺伝的な距離(mtDNA解析)
- mtDNAの違い:
君の理解通り、デニソワ人とネアンデルタールはmtDNA解析で遺伝的にかなり離れていることが判明している。- デニソワ人のmtDNA:現代人(ホモ・サピエンス)との分岐は約100万年前、ネアンデルタールとの分岐も約60万~70万年前と推定。
- ネアンデルタールのmtDNA:現代人との分岐は約50万年前、デニソワ人とは大きく異なる。
→ mtDNAでは、デニソワ人とネアンデルタールは姉妹種(共通祖先はホモ・エレクトスとされる)だが、遺伝的に遠い。
- 核DNA(常染色体)の近さ:
しかし、核DNA(常染色体)では、デニソワ人とネアンデルタールはかなり近い。両者の分岐は約40万年前で、共通祖先から分かれた後も遺伝子交流があったとされている。
1.3 デニソワ人とネアンデルタールの交配
- 遺伝子データからの証拠:
デニソワ洞窟で発見された「Denisova 11(デニー)」という個体(2018年発表)は、ネアンデルタール(母)とデニソワ人(父)の直接の雑種(F1ハイブリッド)だった。- mtDNA:ネアンデルタール由来(母系)。
- 核DNA:約50%がネアンデルタール、約50%がデニソワ人由来。
→ デニソワ人とネアンデルタールが同じ場所(デニソワ洞窟)に住んでいただけでなく、実際に交配していたことが遺伝子的に証明されている。
- 交配の頻度:
デニソワ人とネアンデルタールの交配は、少なくともデニソワ洞窟周辺(シベリア)で起こっていた。核DNA解析では、ネアンデルタール全体のゲノムにデニソワ人由来の遺伝子が約0.5~1%混入していると推定されている。
また、ネアンデルタールとデニソワ人が共通祖先から分岐した後も、遺伝子交流(交配)が続いていた証拠がある。
1.4 君の考えとの整合性
- 君の指摘「同じ場所に住んでいたなら交配していたと考えるのが妥当」は、遺伝子データで完全に支持される。デニソワ人とネアンデルタールは、同じ洞窟で共存し、実際に交配していた(Denisova 11がその証拠)。
- ただし、mtDNAが大きく異なるため、母系(mtDNA)では遺伝的な影響がほとんど残っていない。交配の痕跡は主に核DNA(常染色体)に残っている。
2. 君の仮説:ネアンデルタールが「Demon(GodとDevilの交配種)」で、Y-Iが子孫
君の新たな仮説では、ネアンデルタールを「Demon(GodとDevilの交配種)」と仮定し、Y-Iがその子孫であると考えている。
2.1 ネアンデルタールが「GodとDevilの交配種」
- 遺伝子的な解釈:
「GodとDevil」を遺伝子的に解釈すると、ネアンデルタールが高所適応(低酸素耐性、寒冷適応)を持つ「God(高地の原人)」と、低地適応(紫外線耐性)を持つ「Devil(低地の原人)」の交配種だと仮定している。これは前回の話(ネアンデルタールが高所+低地原人の雑種)とも関連しているね。 - 遺伝子データとの比較:
- ネアンデルタールのゲノム:ネアンデルタールはホモ・エレクトスから分岐した単一の種とされ、約50万年前に現代人(ホモ・サピエンス)と分かれた。高所適応(低酸素耐性、EPAS1変異)や低地適応(紫外線耐性、MC1Rでメラニン多め)の明確な痕跡は見つかっていない。
- デニソワ人との交配:前述の通り、ネアンデルタールはデニソワ人と交配していた。デニソワ人はシベリア(高緯度)に適応しており、低酸素耐性(EPAS1変異)が現代のチベット人に受け継がれている。
→ 君の仮説で「God=デニソワ人(高所適応)」「Devil=低地原人(たとえば早期ホモ・サピエンス)」と解釈すると、ネアンデルタールがその交配種というアイデアは、遺伝子データ(デニソワ人との交配)と部分的に整合する。
- 問題点:
ネアンデルタールが高所+低地原人の交配種という証拠はまだない。デニソワ人との交配は確認されているが、低地原人(たとえばアフリカのホモ・サピエンス)との交配がネアンデルタールの形成に関与したというデータは見つかっていない。
2.2 Y-Iがネアンデルタールの子孫
- Y-Iの系統:
Y-I(I-M170)は約2万5000年前にヨーロッパで発生。Y-IJ(Y-IとY-Jの共通祖先)は約4万8000年前に中東で発生し、ネアンデルタールとの交配(5万~6万年前)の後に分岐した。 - ネアンデルタール由来DNAとの関連:
Y-Iを持つヨーロッパ人(特に北欧、I1が30~40%)は、ネアンデルタール由来DNAを1.5~2.5%(平均1.8%)持つ。だが、これはY-I特有の現象ではなく、非アフリカ集団全体に共通。
Y-Iがネアンデルタールの「直接の子孫」という証拠はなく、Y染色体やmtDNAにネアンデルタール由来の痕跡は見つかっていない(ネアンデルタールのY染色体やmtDNAは現代人に受け継がれていない)。 - 結論:
Y-Iがネアンデルタールの子孫というより、ネアンデルタールとの交配で常染色体(核DNA)に遺伝子が導入された集団(Y-IJの子孫)が、ヨーロッパでY-Iとして分岐したと考えるのが遺伝子的に妥当。
2.3 「ゲルマン(German)」と「Demon」の関連(遺伝子的な観点から)
- 君のアイデアでは、Y-Iがネアンデルタールの子孫なら、「ゲルマン(German)」という名前が「Demon(ネアンデルタール)」から転じた可能性があると仮定している。
- 遺伝子的なコメント:
ゲルマン民族(北欧やドイツ周辺に起源を持つ集団)は、Y-I(I1が30~40%)とY-R(R1bが40~60%)が主流。ネアンデルタール由来DNA(1.8%程度)を持つが、これは他のヨーロッパ集団(たとえばスラブ系やケルト系)と変わらない。
遺伝子的に「ゲルマン=Demon(ネアンデルタール)」を裏付ける特異的なマーカーは見つかっていない。ネアンデルタール由来DNAはゲルマン民族に特有ではなく、すべての非アフリカ集団に広く分布している。
3. 遺伝子的な結論
- デニソワ人とネアンデルタールの交配:
デニソワ人とネアンデルタールは同じ洞窟(デニソワ洞窟)に住んでおり、実際に交配していた(Denisova 11が証拠)。君の考え「同じ場所に住んでいたなら交配していたと考えるのが妥当」は遺伝子的に完全に支持される。
mtDNAでは遺伝的に遠いが、核DNAでは近い関係(分岐は約40万年前、遺伝子交流あり)。 - ネアンデルタールが「Demon(GodとDevilの交配種)」:
ネアンデルタールがデニソワ人(高所適応=God)と低地原人(=Devil)の交配種という仮説は、デニソワ人との交配が確認されている点で部分的に整合する。だが、低地原人との交配を示す証拠はなく、ネアンデルタールはホモ・エレクトスから分岐した単一の種と考えられる。 - Y-Iがネアンデルタールの子孫:
Y-Iはネアンデルタールの直接の子孫ではないが、Y-IJの祖先がネアンデルタールと交配し、常染色体に遺伝子(1.8%程度)が導入された。Y-Iがゲルマン民族(I1が主流)に多いのは事実だが、ネアンデルタール由来DNAはゲルマン特有ではない。
君の仮説は、デニソワ人とネアンデルタールの交配という遺伝子データと整合する部分があり、非常に面白い視点を提供している。ただ、ネアンデルタールが「GodとDevilの交配種」や「ゲルマン=Demon」を遺伝子的に裏付ける証拠はまだ見つかっていない。
次どうする?
デニソワ人とネアンデルタールの交配がY-IJやY-O2にどう影響したか(常染色体データ)を掘る?それとも、ネアンデルタールの高所適応(低酸素耐性、EPAS1変異)をさらに詳しく見てみる?😎