Y-Gとノアの方舟

Y-DNAハプログループG
mtDNAハプログループW
grok

うん、Y-GとmtDNA-Wを絡めて、「高所の生物」から紫外線耐性も寒さ耐性も受け継がなかった集団がどうなるか、遺伝子の観点だけで考えてみるの、めっちゃ面白いね。で、インダス川流域とかジョージア(アララト山周辺)とか、具体的な地域も挙げてきたから、その辺の遺伝子分布とも絡めて整理してみるよ。あと、洪水とか箱舟の話は聖書のエピソード(ノアの方舟とか)を匂わせてるけど、今回はあくまで遺伝子の話に絞るってことで、そこは軽く触れる程度にして、メインは遺伝子にフォーカスするね。


1. Y-GとmtDNA-Wの分布と特徴

まず、Y-GとmtDNA-Wの分布から見て、君の仮説を遺伝子的にどう解釈できるか考えてみる。

  • Y-G(Y-DNAハプログループG)
    Y-Gは中東、コーカサス(特にジョージアとか)、南欧(イタリアとか)に多いハプログループ。起源は約2万~3万年前の中東かコーカサスあたりとされてて、新石器時代の農耕民の拡散(特にヨーロッパへ)と関連してる。
    ジョージア(コーカサス地方)だと、Y-Gがめっちゃ高頻度(30~40%くらい)で、特にG2aサブクレードが多い。トルコ(アララト山周辺)でもそこそこ見られるけど、インダス川流域(パキスタンとか北西インド)だと頻度はかなり低い(数%程度)。
    高所適応(低酸素耐性)や寒冷適応、紫外線耐性の遺伝子がY-Gに特に濃縮されてるって証拠は今のところない。Y-Gはどちらかというと農耕文化と結びついてて、環境適応より文化的な拡散がメイン。
  • mtDNA-W(ミトコンドリアDNAハプログループW)
    mtDNA-Wはヨーロッパ(特に北欧や東欧)、中東、南アジア(インダス川流域とか)に分布してる。起源は約2万~3万年前で、中東か南アジアあたりで発生したとされてる。
    インダス川流域(パキスタンや北西インド)だと、mtDNA-Wがそこそこ見られる(5~10%くらい)。ジョージアやコーカサスでも少なからず存在するけど、高頻度ってほどじゃない。
    mtDNA-Wもエネルギー代謝に関わる遺伝子だけど、寒冷適応(シベリアのmtDNA-Aみたいな)や低酸素耐性(チベットのmtDNA-M9みたいな)、紫外線耐性(アフリカのL系統みたいな)が特に濃縮されてる証拠はない。

2. 「高所の生物」から紫外線耐性も寒さ耐性も受け継がなかった場合

君の仮説で、「高所の生物」(仮にデニソワ人とか)から紫外線耐性(MC1R変異とか)も寒冷適応(UCP1変異とか)も受け継がなかった集団(仮にY-G+mtDNA-Wとする)がいたとして、遺伝子的にどうなるか考えてみる。

  • 遺伝子的なシナリオ
    「高所の生物」が紫外線耐性、低酸素耐性、寒冷適応の遺伝子を持ってて、交配で現生人類に遺伝子が流入したけど、Y-G+mtDNA-Wの集団にはそのどれもが濃縮されなかった、ってパターン。
    遺伝子の受け継ぎはランダムだから、こういう「何も特化した適応を受け継がなかった」集団が生まれるのはありえる。低酸素耐性(EPAS1とか)がないから高所には適応できないし、寒冷適応(UCP1とか)がないから極寒環境も厳しい、紫外線耐性(MC1R変異でメラニン量多め)がないから赤道付近も厳しい。
  • 適応できる環境
    こういう集団が適応できる環境って、極端な選択圧がない中間的な地域になる。インダス川流域(パキスタンや北西インド)とか、標高がそこまで高くなくて、寒さも紫外線も極端じゃない地域。ジョージア(コーカサス)も標高はそこそこあるけど、極寒や極端な紫外線環境じゃないから、適応できるっちゃできる。
  • 遺伝子的結果
    Y-G+mtDNA-Wの集団が「特に特化した適応遺伝子を持たない」形で残ったとしたら、環境適応より文化的な拡散(農耕とか)で分布が決まった可能性が高い。Y-Gがジョージアで高頻度なのは、コーカサスが農耕の中心地だったからだし、mtDNA-Wがインダス川流域でそこそこ見られるのも、農耕文化の拡散や混血の結果と考えられる。

3. インダス川流域とジョージアでのY-GとmtDNA-Wの分布

君が挙げた地域(インダス川流域とジョージア)に絞って、Y-GとmtDNA-Wの分布を遺伝子的に見てみる。

  • インダス川流域(パキスタン、北西インド)
    ここだとmtDNA-Wはそこそこ見られる(5~10%くらい)。インダス文明(紀元前3000~2000年くらい)の時代からいろんな集団が混ざってて、mtDNA-Wは中東や南アジア起源の母系遺伝子として流入した可能性。
    一方、Y-Gはかなり少ない(数%程度)。Y-Gは中東やコーカサスで高頻度だけど、インダス川流域だとY-J(中東系)やY-R(インド・ヨーロッパ語族系)の方が優勢。Y-Gが少ないのは、この地域が農耕文化の中心だったけど、Y-Gの集団が主流じゃなかったからかも。
  • ジョージア(コーカサス、アララト山周辺)
    ジョージアだとY-Gがめっちゃ高頻度(30~40%)。特にG2aサブクレードが多くて、新石器時代の農耕民の名残と考えられてる。ジョージアは世界最古のワイン産地(紀元前6000年くらい)とも言われてるし、農耕文化が根付いた地域。
    mtDNA-Wはジョージアでも見られるけど、そこまで高頻度じゃない(数%程度)。むしろmtDNA-HとかU(ヨーロッパや中東系)が多め。mtDNA-Wは中東や南アジアからの流入が考えられるけど、主流ではない。

4. 遺伝子的に「北にも南にも大きく動けない」?

君の言う「紫外線耐性も寒さ耐性も受け継がなかった集団は、北にも南にも大きく動けない」って仮説、遺伝子的に見ると納得できる部分がある。

  • 北(極寒環境)への適応がない
    Y-N+mtDNA-Aみたいに寒冷適応遺伝子(UCP1とかmtDNA変異)が濃縮されてないと、シベリアや北極圏みたいな極寒環境は厳しい。Y-G+mtDNA-Wにそういう適応遺伝子が濃縮されてる証拠はないから、北への拡散は難しかっただろうね。
  • 南(高紫外線環境)への適応がない
    アフリカ(赤道付近)みたいな高紫外線環境だと、メラニン生成を高める遺伝子(MC1R変異とか)が選択されるけど、Y-G+mtDNA-Wにそういう変異が濃縮されてる証拠もない。肌の色が濃くなる適応がないと、南で生き残るのは厳しい。
  • 中間的な環境に留まる
    だから、Y-G+mtDNA-Wの集団は極端な環境(北の極寒、南の高紫外線)じゃなくて、中間的な環境(インダス川流域とかコーカサスとか)に留まった可能性が高い。インダス川流域は標高が低めで、寒さも紫外線もそこまで極端じゃない。ジョージアも似た感じで、農耕に適した環境だから適応しやすい。

5. 洪水と箱舟の話(遺伝子視点で軽く)

洪水とか箱舟の話は聖書(ノアの方舟)を連想させるけど、遺伝子の話に絞るなら、インダス川流域で洪水が起きたとして、それが遺伝子分布にどう影響したか、って視点で軽く触れるくらいにしとく。

  • インダス川流域の洪水
    インダス川流域は地形的に洪水が起きやすい(2022年のパキスタン洪水もそう)。古代から洪水は頻発してたと考えられるけど、遺伝子的に「洪水で集団が大きく移動した」って証拠は今のところ薄い。Y-GやmtDNA-Wの分布は、洪水より農耕文化や混血の影響が大きい。
  • 箱舟で新天地へ?
    仮に洪水を予見して船で脱出した集団がいたとして、遺伝子的にY-G+mtDNA-Wが新天地(例えばコーカサスとか)に持ち込まれた、ってシナリオは面白いけど、遺伝子データだとY-Gがジョージアで高頻度なのは洪水より農耕拡散の結果と考えられてる。ワイン造り(ジョージアが最古のワイン産地って話)とY-Gの分布が結びつくのは、農耕文化の定着が背景にあるからかも。

6. 遺伝子的に見た結論

「高所の生物」から紫外線耐性も寒冷適応も受け継がなかったY-G+mtDNA-Wの集団は、遺伝子的に極端な環境(北の極寒、南の高紫外線)に適応する形質を持ってないから、中間的な環境(インダス川流域やコーカサス)に留まった可能性が高い。

  • Y-Gはジョージアで高頻度だけど、インダス川流域では少ない。農耕文化の拡散で分布が決まった感じ。
  • mtDNA-Wはインダス川流域でそこそこ見られるけど、特別な環境適応(紫外線耐性とか)があるわけじゃない。
  • 遺伝子的に「北にも南にも大きく動けない」ってのは、適応遺伝子がない集団としては納得できるシナリオ。

次どうする?

この話、さらにY-GやmtDNA-Wの遺伝子変異(例えばMC1RとかUCP1がどうなってるか)掘る?それとも他のハプログループ(Y-Qとか)と絡めて、遺伝子的な適応の違い見てみる?😎